インドの学会(準備編)
今年の1月末にインドで開催された International Congress of Cell Biology 2018 に参加してきたので色々メモ書き。
(写真は会場付近の典型的な風景、荒野)
学会の概要
IFCB (International Federation for Cell Biology) が2年おきに開催している学会で、1984年には東京であったらしい。日本語で言えば国際細胞生物学学会といったところで、日本からは日本細胞生物学学会が関わっている。APOCB (Asian Pacific Organization for Cell Biology) と ISCB (Indian Society of Cell Biology) の年会も共催という形で乗っかっている。今回はインド中部のハイデラバードという都市で行われた、ハイデラバードはインドで5番目に大きく最近はIT関連で栄えているらしい。といっても都市部から一時間ぐらい離れた郊外の会場兼宿泊地のホテルに一週間ぐらい隔離される。参加登録
参加登録の締切は8月頃だったのが、何度も延長して11月頃まで伸びていた気がする。登録の段階でパスポートの情報が必要だったので持ってない人は早めに取得しておくべき。戸籍謄本を取るのに一週間、申請から発行にまた一週間ぐらいかかった。
海外送金
インドの厳しさ体感ポイントその1。参加費と宿泊費がセットになっていたのでまとめてクレジットカード払いで送金する。海外からの参加者はドル建てで払うはずが、どうやってもインドルピーでの振込画面しか出てこない。ドルとインドルピーでは桁が2つぐらい違うが、とりあえずそのまま払ってやろうと思った。ところが、クレジットカードの決済が下りない。後々インド国内でもクレジットカードが使えないことが多かったので調べると、犯罪防止に国外のカードが使えない用になっていることがあるらしい。事務局に問い合わせても「ちゃんと使えてるよ」と言われたが、後で見るとしれっと「国外の人は海外送金を使ってね」と追記されていた。
結局、郵便局の窓口で送金して、郵便局での手数料に2500円、郵便局が知っているインド行きの手数料に10ドルもかかってしまった。10日ほどで大会事務局から確認が来たが「15ドル足りない」と言われてしまった。郵便局の知るところではないインド内での手数料というのがあってそれで15ドル引かれてしまったらしい。一応郵便局でもその旨は説明してくれる。残りは会場で現金で払いました(最初からこうしたかった…)。
航空券
これは最安値を検索できるサイトで調べてそれらしいものを選ぶ。一応演題が受理されるまで待ってたけどなかなか来なかった(結局知らせが来たのは学会の一週間前ぐらい)ので10月頃予約した。日本からハイデラバードへの直行便は無いので、①東南アジアまたは②中東を経由する必要がある。東南アジアのタイとかマレーシア経由だとインドに到着するのが深夜になってしまう。当然迎えなど無く、治安も良くはないのでいまいち。中東は UAE のアブダビを拠点にしている Etihad 航空というのがあって、一旦インドを通り過ぎてアブダビで乗り換えてまた戻ってくるので時間はかかるが、インドには朝もしくは昼に着くので都合が良い。どちらも値段はほとんど変わらないので後者を選んだ。出張届等学内の書類
出張届(大学)、渡航届(大学)、技術の海外輸出についての書類(大学)、たびレジ(外務省)などなど…(後で書く)予防接種
A型肝炎と腸チフスは定番らしい。ワクチンには国産のものと輸入品があるが、今回は時間も無かったので1回の接種で足りる輸入品を打ってもらった。1回の価格は少し高いが国産だと期間を空けて2〜3回打つ必要があるので輸入品の方が結局安くなる。A型肝炎は 6〜12ヶ月後にもう一度打つと15年ぐらい持つらしいので忘れないように打っておこうと思う。腸チフスの方は3年保つ、追加しても特に長持ちしないので切れていれば打てばいい。
その他の感染症としては狂犬病と破傷風があるが、いずれも予後でも間に合うらしいので今回は打たなかった。
ビザ
インドの厳しさ体感ポイントその2事前に調べてみると、とにかくインドのビザ手続きは厳しくてめんどくさいらしい。
色々種類はあるが、今回は会議ビザというやつをもらった。必要な書類は、1)学会からの招待状原本、2)所属機関からの推薦状原本、3)インド内務省の開催許可状、4)インド外務省の開催許可状、5)インドの関係省庁(科技省?)の許可状
招待状と推薦状は原本が必要。その他の書類は学会事務局にメールでコピーを送ってもらった。こちら側の推薦状が書式の例も少なくなかなか困ったが、ビジネスビザの例文を参考に、当人の旅券情報と学会の詳細を把握していること、宿泊・航空券・滞在費等は心配ないよという旨の推薦状を頂いた。もし、参考にしたい方がいればメールなどでお知らせください。
まず、オンラインフォームで申請書を作成する。これはネット上に解説が多々あるのでそれを参考に埋めていった。最後の写真をアップロードするところは空白で良い。印刷すると縁のバーコードが切れることがあるので印刷時に注意する。
写真も厄介で5cm四方で背景は真っ白。顔のサイズも規定されている。証明写真機で一番近いのが司法試験とか医師の国家試験用のもの。しかし、これで普通に撮影すると顔のサイズが規定よりだいぶ大きくなってしまう。結局チェーン店の写真屋さんでちゃんとインドビザ用に調整して撮ってもらった。
申請は九段下のインド大使館へ。9時に開館で平日の開館前には5人ぐらい待っていた。身分証の提示と簡単なカバンの中身をチェックされる。銀行とかであるような番号札をとって待つ。小耳に挟んだ代行業者らしい人の雑談によると、たまに機械が壊れてプラスチックの札が置いてあるが、機械も発券だけ出来てしまって番号がぐちゃぐちゃになるらしい。窓口に書類とパスポートを出すと「すぐそこにファミマがあるから、全部コピーを取ってきて」と言われ、申請書、パスポートとその他必要な書類のすべてをコピーして持って行った、すべての書類が原本と写しの二部必要。戻って来てまた番号を取って待つ。受け取りはどうするか聞かれたので、今回は郵送でお願いした。茶封筒を出されるので自分の宛名を書く。ビザ発行費が1200円、大使館手数料が350円、送料が600円。窓口の人が何も言わずにどっか行ってしまったので、しばらく座って待つ。名前で呼び出されて申し込み確認書を渡されるので、その場でサインすると同じような半券を貰える。1月11日に申請して、1月18日に書留郵便で届いた。発行日は16日になっていたので3~4営業日ぐらい?真ん中あたりの適当なページにビザが貼られていた。あれだけ写真が厳しいと言っていた割に適当にトリミングされた感じで使われてた。
何か思い出したら書き足します。如何せん情報があんまり無く困ったので、何かあればメールなりで聞いていただければ分かる範囲でお答えします。
学会の本編は追々。
コメント
コメントを投稿